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辻本 和文; 佐々 敏信; 西原 健司; 大井川 宏之; 高野 秀機
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(1), p.21 - 36, 2004/01
被引用回数:144 パーセンタイル:99.24(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチニド核変換のための鉛-ビスマス冷却加速器駆動炉(ADS)の核設計を行った。ADSのこれまでの研究で、燃焼反応度とピーキング係数が大きいという2つの問題が指摘されていた。この問題を解決するために、設計パラメータがADSの核特性に与える影響を調べた。ここで取り上げた設計パラメータは、初装荷Pu量,核破砕ターゲットと炉心の間へのバッファ領域、及び燃料のゾーン装荷である。パラメータサーベイ計算では、燃焼とリサイクルからなる燃焼サイクルを考慮した。その結果、燃焼反応度は初装荷Pu量に依存することがわかった。さらに、反応度係数を用いて適切な実効増倍率の評価も行った。その結果、提案しているADSに対しては、実効増倍率の最大値を0.97とすることにした。以上の結果から、バッファ領域を設置し、燃料のゾーン装荷を行った新しい炉心概念を提案した。
高野 秀機; 秋江 拓志; 平岡 徹; 中村 邦彦*; 廣田 耕一*; 神島 吉郎*
Proc. of ARS94 Int. Topical Meeting on Advanced Reactors Safety,Vol. 1, 0, p.549 - 556, 1994/00
窒化物燃料を用いた鉛冷却高速炉について、高安全炉心の設計及びプラント特性の技術的検討を行った。炉心設計では、窒化物燃料に濃縮したN-15を用いることの炉心性能への影響を明らかにした。Na冷却高速炉では、N-15を用いるとボイド反応度が正側へ増加するが、鉛冷却高速炉ではもれに比べて無視でき負の設計が可能であり、Puインベントリの節約と増殖比の増加が期待できる。このサーベイ計算に基づき、全炉心ボイド反応度が十分に負で燃焼反応度変化の小さい固有安全性の高い炉心を設計した。さらに、ヒートバランス,SG概念,崩壊熱除去システム,耐震性等の原子炉プラントの技術的検討を行い、鉛冷却高速炉の特徴を明らかにした。ヘリカルコイル型SGを用いたコンパクトなプラントシステム概念に対する耐震性の検討では、応答加速度2Gの条件で60万KWe出力炉の立地が現在の設計基準内で可能であることを示した。
花木 洋*; 沢田 周作*; 三田 敏男*
PNC TJ9124 93-009, 334 Pages, 1993/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、重要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、ベイズの条件付確率推定法を基礎とする炉定数調整を実施することにより、JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した修正炉定数を開発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。しかし大型炉の炉心設計において、反応率分布、制御棒価値等の核特性のみならず、燃焼反応度損失、増殖比といった燃焼特性の精度良い評価も重要である。そこで本研究では、「常陽」等の豊富な実機燃焼データを有効に活用して、燃焼核特性の設計予測精度を向上させることを目的として、燃焼特性の感度係数を解析するシステムを整備し、「常陽」燃焼データを用いた炉定数調整を実施して、燃焼核特性設計精度向上に対する効果を評価した。その成果は次の通りである。 1)FBR実機の燃焼特性の感度係数を、複数サイクル及び燃料交換を考慮して解析可能なシステムを整備し、直接計算との比較によりシステムの妥当性を確認した。 2)燃焼特性を炉定数調整に適用しても、従来の核特性の設計精度にそれほど影響を与えることなく、燃焼核特性の設計精度を向上させることができることが明らかになった。
高野 秀機; 秋江 拓志; 半田 宗男; 平岡 徹; 中村 邦彦*; 廣田 耕一*; 神島 吉郎*; 田中 洋司*; 高橋 浩道*; 金子 邦男*
Proc. of the 7th Int. Conf. on Emerging Nuclear Energy Systems; ICENES 93, 8 Pages, 1993/00
高速炉の開発の魅力は、軽水炉に比べて極めて高い資源有効利用とTRU処理能力にある。軽水炉の代替となるためには、炉と燃料サイクルを含めた高い経済性と正のボイド反応度や燃焼反応度損失を低減した高い安全性をもつ高速炉システムが必要である。そのため、鉛冷却・窒化物燃料集合体からなる高速炉について、燃料仕様やIV-15の濃縮度をパラメータとして炉心特性を検討し固有安全性の高い炉心を設計した。この炉心を基にして、耐震性を含む安全性、ヘリカルコイル型SGをもつ原子炉構造等を検討し、プラントコストをNa冷却・MOX燃料高速炉と比較した。さらに炉と燃料サイクルを含めた自己完結型の総合燃料サイクルシステム概念を、電力供給型プラントと燃料フロー調整型プラント群を高温化学再処理をベースとして検討した。
秋江 拓志; 高野 秀機
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(8), p.668 - 670, 1987/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.43(Nuclear Science & Technology)高転換軽水炉によるF.Pガス放出の、燃焼反応度損失あるいはボイド反応度に対する影響を、稠密格子モデルに対するセル燃焼計算を行なうことにより検討した。燃焼反応度損失に対しては、燃焼度40GWD/t程度まではガス放出の増倍率への影響は小さい。しかし~50GWD/t以降F.Pの放出率は急激に増加しその影響は無視できなくなる。ボイド反応度については、ボイド率の増加と共にF.Pガス放出による反応度の増加が小さくなり、結果としてF.Pの放出を考慮することにより、より負のボイド反応度が得られる。負のボイド反応度が小さな格子において高燃焼時にガス放出の効果が重要になる。